東トルキスタン-パキスタンのクンジラプ国境で、メッカ巡礼のウイグル人旅行者が出国拒否された

  8月25日、東トルキスタンからバスでパキスタンに入り、サウジアラビアのメッカに巡礼に行く予定のウイグル人のグループが、出国を拒否されパスポートを没収されたうえ、カシュガルに強制送還された。
 クンジラプ国境(税関)はカシュガル地区タシコルガン(同:タシュクルガン)県内にあり、標高3200メートル。

 東トルキスタン各地から集まったウイグル人は中国政府の正式なパスポートを取得し、サウジアラビアのビザも取って、カシュガル国際バスターミナルを8月24日に出発し、その日のうちにタシコルガン県に到着。25日の朝タシコルガン県内のクンジラプイミグレーションに出国申請した。しかし、なぜか国境警察により出国拒否されただけでなく、全員のパスポートが没収され、カシュガルに強制送還されたのだ。
彼らの書類に不備はないと思われ、出国拒否の正当な理由は考えられない。

  去年は、北京からメッカ巡礼に向かったウイグル人が北京空港で出国拒否されている。

 世界の他に国に比べて、中国でパスポートを取るのは難しいが、東トルキスタンなどの植民地ではさらに難しいのである。勤務先、地方政府、公安局、ウイグル自治区公安庁などの許可を取るために数ヶ月の時間をかけ、腐敗した公務員に合法的な手数料の10倍以上ものお金を払い、やっとパスポートが取れるのである。パスポートを取ってから目的地国家の北京大使館にビザ申請を出さなければならず、わざわざ北京まで行かなければならない。

 北京の大使館の警備員は中国公安部が派遣した漢族警察で、大使館の入り口で厳しいチェックをし、ウイグル人だというだけで中に入れない場合が多い。中に入れたとしてもお金を求めるのである。
 また中国からメッカ巡礼に行ける人数の枠が毎年決まっているため、中国当局は自分たちに従順なえせイスラム教徒にばかりこの枠を振り分けることも多く、これもウイグル人が不利になる理由である。

 ようやくすべての手続きを済ませ、パキスタン経由でサウジアラビアのメッカに向かったウイグル人たちが出国拒否され、払った時間的金銭的代価は無になり、宗教信仰は踏みにじられてしまった。東トルキスタンにいる中国人の役人や警察などは、自らのポケットにウイグル人のお金を入れるだけ入れて、あとは知らん顔をし、一切の責任を取らない。東トルキスタンの“宗主国”の一員として、東トルキスタン人を使い捨てるだけである。

 中国政府は80年代から“対外開放”政策を実施しているが、東トルキスタン人にとっては“対外閉鎖”政策を実施し、都合のいい場合や、気を緩めた場合以外、東トルキスタン国民の旅行、宗教信仰自由を奪い取っているのである。

 さらに今年8月、巡礼月を迎えてから、独裁・侵略者政府は東トルキスタンの南地区ですでに取得されたウイグル人のパスポートを没収したりして、メッカ巡礼を妨害しようとやっきになっているのである。メッカ巡礼はウイグル人の宗教感情を高めるため、中国はこれを警戒してなんとしてもやらせないようにしているのだ。

 中国の憲法では宗教の自由が保障されているが、その実態はこれである。日本人のかたがたは中国当局が何かと口にする「それは中国の憲法でも保障されている」という台詞はまったくあてにならないということをよく知るべきである。

ウイグル太郎

 

東トルキスタン情報センター

 

2005年9月1日